障害厚生年金

 

※長期組合員の方向けの内容になっています。

解説

組合員である間に「初診日(※)」がある傷病により障害の状態になったときには、障害の程度に応じた「障害厚生年金」が、国家公務員共済組合連合会(KKR)から支給されます。

※ 初診日とは、その障害の起因となる傷病のために初めて病院にかかったときをいい、傷病名や病院、診療科が変わっていても、一番初めに医療機関の診断を受けた日となります。

◆受給要件◆

次の①~③すべての要件を満たしていること

  1. ① 初診日に組合員(第2号厚生年金被保険者)であること(※1)。
  2. ② 次のいずれかの時点において、厚生年金保険法に定める障害等級に該当する障害の状態であること(※2、※3)
    A 初診日から1年6月を経過した日、又はその期間内に症状が固定した日(「障害認定日」といいます。)
    B 障害認定日において障害の状態に該当しなかった方が、65歳に達する日の前日までに、障害の状態となって請求したとき
  3. ③ 初診日において、後記の【保険料納付要件】を満たしていること

※1 初診日が他の種別の厚生年金被保険者期間にある場合は各実施機関に、国民年金の加入期間又は20歳前にある場合は日本年金機構に請求することになります。

※2 Aの要件による請求を、≪障害認定日による請求≫、Bの要件による請求を≪事後重症による請求≫といいます。

※3 要件に該当する時点(受給権が発生する時点)が、平成27年9月以前の場合は、従前の「障害共済年金」が支給されます。

◆保険料納付要件◆

次の①及び②すべての要件を満たしていること

  1. ① 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間のうち、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上であること。
  2. ② 初診日の属する月の前々月までの直近1年間の公的年金の加入期間のうちに、国民年金の保険料の未納期間がないこと(令和8年3月までに初診日がある場合の特例)

◆年金支給◆

障害厚生年金は、障害認定日までの厚生年金の被保険者期間(※)を通じて、その間の給与等(標準報酬)に応じ算定される報酬比例の年金です。
障害の程度によって、以下の通り支給されます(数字の小さい方が、より重い障害です。)。

※ 種別の異なる厚生年金の被保険者期間も合算されます。

  • 1級…【報酬比例部分】×1.25+配偶者の加給年金額
  • 2級…【報酬比例部分】+配偶者の加給年金額
  • 3級…【報酬比例部分】(最低保障額あり)

なお、1級及び2級に該当したときは、別途日本年金機構から障害基礎年金(+子の加給年金額)が支給されます。

◆時効◆

年金請求の時効は5年です。

  • ≪障害認定日による請求≫において、受給権が発生してから5年以上経過して請求した場合、遡って支給されるのは、直近の5年分までとなります。
  • ≪事後重症による請求≫においては、請求書が共済センターへ到着した時点が受給権発生日となりますので、時効の影響はありません。

請求手続

障害厚生年金を請求するにあたっては、以下のⅠ~Ⅴの手順で進めるとスムーズです。
ご不明の点等がありましたら、遠慮なく共済組合コールセンターへご照会ください。

◆Ⅰ 請求前の準備◆

  1. 手順① 初診日をご確認ください。障害厚生年金は、初診日に加入していた年金制度(実施機関)に対して請求する必要があります。病院が変わったり、傷病名等が変わったりしていても、因果関係がある場合はその起因となる傷病のために初めて医療機関の診断を受けた日が「初診日」となります。初診の医療機関に日付をご確認いただき、初診日が在職中であるか、ご確認ください。
  2. ※ 初診日に関する証明書類(受診状況等証明書)が必要となりますので、証明書を発行いただけるか、併せてご確認をお願いします。

    ※ 共済組合員となって1年以内に初診日がある場合は、保険料納付要件を満たしているか、お近くの年金事務所でご確認ください。

  3. 手順② 年金請求に使用する診断書は8種類あります。ご自身の傷病について、いずれの診断書が適切なのか(主治医が証明しやすいか)、主治医に相談いただいた上でご確認ください。
    診断書の様式は、日本年金機構のホームページでご確認いただけます。
    日本年金機構ホームページ(年金請求に使用する診断書・関連書類)(外部リンク)
  • 年金請求に使用する診断書は、詳細な証明を必要とするため、高額となることが多いようです(保険適用外)。
  • 請求内容によって提出すべき診断書の枚数が異なります。また、多くの診断書をお整えいただいた場合であっても、診査の結果、障害等級に該当しないケースもありますので、請求されるかどうか及び請求方法については、主治医とよく相談されることをお勧めいたします。

※ 共済センターは、年金の決定機関ではないため、障害の程度についてのご相談は承っておりません。

※ 障害等級の判定は、国家公務員共済組合連合会(KKR)の認定医が行います。そのため、主治医の見解と異なる決定が降りる場合があります。

◆Ⅱ 年金請求書類の取り寄せ◆

共済組合コールセンターへご連絡ください。
初診日、請求方法等により請求書や提出すべき様式が異なりますので、ご事情に合わせた請求書類を揃えて送付しています。

※ 個人情報(機微情報を含む)を詳細に伺う必要があるため、メールでの照会、送付依頼は受け付けておりません。ご了承ください。

◆Ⅲ 添付書類の準備◆

請求内容によって添付書類は異なりますが、資料により有効期限がありますのでご注意ください。添付書類について詳しくは、年金請求書又は同封のリーフレットをご確認ください。

  1. 手順① 医療機関に診断書、様式「受診状況等証明書」の作成を依頼
  2. 手順② 作成された診断書等の記載に基づき、年金請求書、様式「病歴・就労状況等申立書」を記入
  3. 手順③ 戸籍謄本等の証明書類を入手

※ 書き損じた場合や、様式が足りない場合はダウンロードしてご利用ください。

◆Ⅳ 請求書の提出◆

在職中の方は、共済センター年金担当へご提出ください。共済センターで添付書類等を確認後、KKRへ送付します。
退職後に障害厚生年金を請求される方は、共済センターへご提出されるほか、直接KKRへ提出いただくこともできます。

※ 障害等級の判定、年金の支給決定はKKRが行っています。

◆年金請求手続とマイナンバー(個人番号)◆

令和5年9月29日から、「厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令」の公布に伴い年金請求をされる方がマイナンバー(個人番号)をお持ちの場合には、必ずマイナンバー(個人番号)をご記入いただくこととなりました。
年金請求手続には、基礎年金番号とマイナンバー(個人番号)双方をご記入いただいた上で、それぞれの番号確認等資料の添付が必要です。

◆Ⅴ 決定通知◆

結果は、KKRから直接請求者に通知されます。
障害厚生年金の等級判定及び支給決定には、おおむね3月程度を要しますが、書類に不備があった場合や障害状態の認定等における医学的専門事項の調査内容によっては、さらに時間を要する場合があります。

関連手続

◆障害基礎年金◆

障害厚生年金が1級又は2級に該当する方には、併せて障害基礎年金が日本年金機構から支給されます。
個別の請求手続は不要です。障害厚生年金の決定後に、国家公務員共済組合連合会(KKR)から日本年金機構へ情報連携して支給決定されますので、障害厚生年金の年金証書等が発行されてから2~3ヵ月後に、別途通知されます。

◆年金生活者支援給付◆

障害基礎年金の受給権者に支給される給付です。
請求書を受け付けた翌月から、支給されます。
障害厚生年金の請求書を送付する際には一律、様式「年金生活者支援給付請求書」を添付しています。
障害厚生年金の請求書を共済センター(又はKKR)へ提出するのと同時に、様式「年金生活者支援給付請求書」については、年金事務所へご提出ください。

※ 障害厚生年金の等級は、請求時点では判断できないため、対象とならない場合もあります。

詳しくは、お近くの年金事務所でご相談ください。

◆障害手当金◆

組合員である間に初診日のある傷病が、初診日から5年以内に治ゆ(症状が固定していること)し、年金等級には該当しない程度の障害となったときには、「障害手当金」が支給されます。

障害手当金を請求するときは、障害厚生年金と同じ保険料納付要件を満たす必要があります。
障害手当金の請求書等は、共済センター又はKKRからお取り寄せください。

よくある質問

Q1

障害年金は、在職中でも支給されますか。

A1

障害厚生年金、障害基礎年金は、在職中であっても支給されます。

※ 該当する方に支給される障害共済年金(経過的職域加算額)は、組合員(公務員厚生年金被保険者)として在職している間は全額支給停止されます。

Q2

既に県(または政令指定都市)から身体障害者手帳2級を交付されています。
障害厚生年金も2級になりますか。

A2

障害者手帳等と障害年金は、法の目的が異なりますので、同じ等級になるとは限りません。

※ 共済センターでは、障害の程度や等級についてのご相談を承ることはできませんので、請求されるかどうかは主治医等に相談された上でご判断ください。

Q3

30年間勤めた郵政を退職した後、民間企業に再就職してから初診日があります。
長く掛金を納めてきた日本郵政共済組合へ、障害厚生年金を請求することはできますか。

A3

障害年金は、初診日において加入していた年金制度(実施機関)へ請求することから、共済組合の短期組合員や、民間企業に再就職された方等の一般厚生年金被保険者である間に初診日がある場合は、日本年金機構(年金事務所)へ請求することになります。

  • 被用者年金一元化後の障害厚生年金は、認定日までの厚生年金被保険者期間(種別の異なる被保険者期間も合算。一元化前の共済組合員期間を含みます。)と、当該期間の掛金額算定の基礎となった標準報酬額等に基づいて計算されるようになりました。
    そのため、日本年金機構が決定・支給する障害厚生年金であっても、郵政に在職されていた間の標準報酬額等が反映されています。

Q4

現在休職中ですが、障害年金を受給していることが会社に知られると復職できなかったり、退職させられたりすることはありませんか。

A4

共済組合から、会社(または再就職先等)に障害年金の決定状況等をお知らせすることはありません。

Q5

自分が障害厚生年金を請求すると、いくら支給されるか分かりますか。

A5

障害厚生年金は障害の程度に応じて支給される年金のため、試算はできません。

  • 障害厚生年金の障害等級には、1級から3級まであり、より重い障害である1級又は2級に該当した場合は、障害厚生年金と併せて障害基礎年金(※)が日本年金機構から支給されます。
  • 障害基礎年金が支給されない場合(障害等級が3級の場合など)で、障害厚生年金の算定額が 612,000円に満たないときは、612,000円が保障されます。

    ※ 障害基礎年金は定額です。
    1級……1,020,000円(令和6年4月からの額)
    2級……816,000円(令和6年4月からの額)


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